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●「長寿」が価値にならない時代
日本は、世界で最も長寿企業の多い国です。200年以上続く会社も少なくありません。しかし、ここで、同族企業を率いるあなたと一緒に考えてみたい問いがあります。「長く続く」という事実だけで、その会社に価値はあるのでしょうか?
長く続いているという事実は、これまで日本社会という”「世間」に生かされてきた”ことの証明だと言えます。お客さんがいる限り、会社は成り立ちます。そういう意味では、世間に必要とされてきた会社です。京都や奈良に古くから続く会社が多いのは、戦禍にあわなかったという歴史的背景に加え、”世間様”を大事に商売を続けてきた証でしょう。
でも、そうした会社の中には、主体性を持たずに、”ただ生かされてきた”だけのところもあるかもしれません。
地道に商売をしていればお客さんがついてくれた時代は、もう終わりました。
今、顧客や従業員を強く惹きつけるのは、「この会社でなければ」という、胸を熱くさせる「物語(ストーリー)」です。
●「物語」は、窮屈な伝統から解放される光
あなたの会社は、どんな物語を紡いでいますか?
物語とは、創業者の精神、困難に立ち向かった従業員のエピソード、そして商品やサービスに込められた祈りにも似た想いです。それらが積み重なったところに、存在の意味が宿ります。
特に同族企業においては、オーナー家の行動も物語の大事な一部です。
「長く続いている」という事実は、時に「変えられない」「古いやり方」という窮屈さや足かせになりかねません。「300年続いているだけでは何の価値もない。むしろ古臭い」というイメージを、顧客は持っているかもしれません。
だからこそ、伝統の苦しさに押し込められるのではなく、その歴史を次世代が納得して継ぎたいと思う「価値ある物語」として再構築する必要があるのです。
あなたの会社の歴史は、単なる年表ではなく、未来に向かって希望をつなぐための資源です。
あなたの会社は、次世代が継ぎたくなるようなオリジナルの物語を紡いでいますか?
