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2022.03.24日-
エグゼクティブ・ファシリテーションと社外取締役

私は「同族企業専門のファシリテーター」と名乗り、創業家メンバーの対話支援を掲げています。
現在は主に家族が対象ですが、ファミリーセラピストではないので家族だけをみているわけではありません。

目的はあくまで、その同族企業に関わる人々(従業員、取引先、地域社会など)が幸せになれる経営。

オーナー/ビジネス/ファミリー の3サークル全体が幸せになる有機体をつくること。

その目的に向かうとき、私が目指しているひとつの理想的な支援像は、同族企業のエグゼクティブ・ファシリテーターです。

エグゼクティブ・ファシリテーションとは?

「経営陣の発達を支えながら、経営チームのパフォーマンスを、ファシリテーター技術などを用いて向上させるもの」

|CULTIBASE『エグゼクティブ・ファシリテーションとは何か』より

 

オーナー企業の取締役会で、どれだけ心理的に安全な、リスクテイキングな発言が許されるでしょうか。

コーポレートガバナンスとファミリーガバナンスが両立した経営会議は、どうしたら成立するのでしょうか。

そんなことを考えながら、ファシリテーションの技術と、ファミリービジネスアドバイザーの知識で何ができるかなあと思った時に「エグゼクティブ・ファシリテーション」という言葉に出会いました。

場としては、同族企業の取締役会・経営会議、あるいは株主報告会的なもの(株主総会ではない)を私は想定しています。

 

しかしながら、第三者として支援できたらいいなと思ったと同時に、これって(私が言うのもなんですが)、必ずしも外部ファシリテーターを連れてくる必要はないのだろうとも考えました。

というより、重要な企業秘密も交わされる取締役会に、第三者のファシリテーターを入れることは想定されにくい。

だとすると、絶大な権力をもつオーナー経営者が君臨する意思決定の場で、親族幹部、ノンファミリーメンバーも含めて平等に扱える人は・・・

 

社外取締役だ!

社外取締役なら、取締役会や経営会議でファシリテーターとなる資格がある!

間違えてはいけないのは、ここでいう社外取締役とはアドバイザリー的な社外取ではありません。
一緒に汗をかく社外取締役、協働する社外取締役です。

ある程度、社内情報に触れることができ、経営経験もある社外取締役。

オーナー/ビジネス/ファミリー の立場と価値観を理解し、切り分けて説明できる人物。

オーナー社長の声も、オーナーの奥さまの声も、ノンファミリー幹部の声も、平等に扱うことを心得ている第三者。

そういう人材が、同族企業のエグゼクティブ会議をファシリテーションすることで、2つのガバナンスを見失わない同族企業経営を支援できるのでは、と考えます。

肩書きやポストだけの社外取締役でなく、支援者としての社外取締役を有効に活用する。

そんなオープンな同族企業が増えるといいなと思います。

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