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アフガニスタンで医療・復興支援に長年従事され、2019年、銃弾に倒れた故・中村哲氏。
私は中村氏ご本人のことには詳しくありません。
ただ、先日ご息女がお父さんの意思を継いでNGO・ペシャワール会の活動に携わりはじめたというニュースを聞いて、この言葉が頭をよぎりました。
A family in business.
事業と共にある家族。あるビジネスのなかにいる家族。
同族企業の創業家やファミリーメンバーのことを、こう表現するときがあります。
中村家が、アフガニスタン支援を家業として営んでいたわけではありません。ペシャワール会も、中村氏が創設したものではありません。
それでも、親の意思を継いで生きようと長女の秋子さんが思った、その事実。
間近で見ていた親の活動に意義を感じ、親が築いた何かを引き継ごうという決意。
そこに見える中村家、中村親娘の姿は紛れもなく、A family in business. 意思ある事業と共に存在するファミリー。
この長女の方に直接聞いたわけではありませんが、きっと、彼女の胸にあるのは後継者のそれと同じ感情だと思うのです。
使命感。
親の活動への敬意。
親が為した社会貢献の存在感。
親の意思を継ぐという行為は、会社であれ職業であれ、強い使命感と確信をもった行動なのです。
中村哲さん長女、亡き父の口癖胸に…受け継ぐ意志 静かに語った決意
(西日本新聞 2020年5月27日)