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2022.04.18日-
伴走とはなにか?シリーズ;安心と信頼の関係づくり

以前の投稿「伴走とはなにか?」の続きです。

私の伴走プロセス

⓪安心と信頼の関係づくり
①離陸、船出の背中を押す
②継続的に薪をくべる
③天からの贈りものを一緒に喜ぶ

から、今日は【⓪安心と信頼の関係づくり】を深掘りします。

安心と信頼の関係をクライアントとの間につくるために伴走者はなにをしているのか。 
クライアントが何も語らないうちから、クライアントが言うこと、行動したことはすべて真実であると信じて向き合います。これが基本の心がけです。

「真実である」とは、クライアントの言動が正しいか正しくないか、ではありません。
良いか悪いかでもありません。伴走者はそれらを判ずる立場には立っていないので。

クライアントが見ている世界、感じたもの、表現した言葉。それらはすべて『本人にとっての』真実です。極端な例えですが、幻覚症状が見える人にとって目の前の映像は「そこにあるもの」です。「そこには何もないよ」と正そうとするのではなく、「この人には確かに見えているのだ」と自分も認識する。

「本人にとってそれが真実である」と伴走者が認識する。 それを私は、「クライアントを信じる」と表現します。

この信じる姿勢が、スタート地点です。

 

ここから何が始まるのでしょうか。
支援者が「信じてくれている」と感じたクライアントは、安心して自己を語れるようになります。

 

何のために自己を語るのでしょうか。

ここからは特にメンタリングで私が大切にしている考えを、サビカス先生の著書を頼りに述べていきます。

キャリア理論家のマーク・サビカスは、自己を語ることの重要性を述べています。

人は、意識を自覚するという人間独自の能力を用いて経験を内省し自己を構成する。
(中略)言語がなければ、内省は起こらない。

また、

人は自分の人生をはっきりと話すことによって、その意味を理解する。(中略)

語りは、クライエントが自分自身の真実を作り出せるようになるのに役立つ。

『サビカス キャリア・カウンセリング理論 <自己構成>によるライフデザインアプローチ』
マーク・L・サビカス 福村出版

 

私たちは、他者に語ることで自分自身を形づくります。(こうした考え方は「社会構成主義」と呼ばれ、ナラティブ・カウンセリングなどのキーワードで詳細が出てきます。)

自分の経験やそのときの感情を語ることによって、人は自分自身を再発見します。再発見した自分と手をたずさえて歩み出す。それが成長であり、成熟です。経験・内省・再発見・再出発のサイクルがミルフィーユのように何層にも積み重なって、人生という偉大な構築物をつくりあげるのだと私は考えます。

伴走する私は、クライアントの自己語りによってクライアントが経験したことを共に見、感じ、理解します。同じ側に立って、クライアントが見ている世界を認識する。本人の言葉を信じて疑わず、経験を共有する。いわゆる「寄り添い」と言われる行為を、私なりに表現するとこのようになります。

クライアントに対する私の理解が深まると、そこには信頼関係が生まれます。本人は安心して深く話すことができ、メンタリングでは自分自身をつくるプロセスが進み、会議ファシリテーションでは本音の意見交換がしやすくなります。
これが、私が心がけている「安心と信頼の関係づくり」です。

 

伴走プロセス
⓪安心と信頼の関係づくり
①離陸、船出の背中を押す
②継続的に薪をくべる
③天からの贈りものを一緒に喜ぶ 


の続きは次回に。

お読みいただきありがとうございます。

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