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ファシリテーターは、沈黙を力強く使う。
ほとんどの文化において、沈黙が15秒を超えることはない。西洋では9秒。アジアではもう少し長いと言われるが、集団(3人以上)でいるときに沈黙が15秒を超えると、誰かが耐えられず沈黙を破る。
しかしファシリテーターにとっては、ただ沈黙を守ることが、時にすばらしく役に立つ。
沈黙を守るとき、ファシリテーターは何をしているのか。
その時はただ、肯定と確認だけを行う。それがファシリテーターの役割。
そうなんですか/そうなんですね という意味合いを込めた眼差しで、ただ、うなずく。
黙って聞くこと。
「Yes, I hear you.」と「Yes, I agree.」は全く違うのだ。
黙って穏やかに相手を見て、「あなたの話を聞いている」という態度は、その態度そのものがメッセージになっている。
Yes, I hear you.
その無言のメッセージが、ときに相手をどれほど安心させることか。
ファシリテーターなら、沈黙の威力を体の底から知っていなければならないし、力強く使えなければならない。
沈黙を力強く使う。
ファシリテーターは、話すことでクライアントから信頼を得ようとするのではなく、時に沈黙を効果的に使い、彼らに信頼をもたらすのだ。黙ってクライアントを鼓舞し続ける。
ファシリテーターがクライアントを信頼すればするほど、彼らはその信頼に応えようと行動する。