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同族企業で、兄弟姉妹というのは特別な意味を持ちます。
通説的な考えとしては兄弟姉妹経営は「問題のタネ」と見なされて、始める前から排除へ働く力学(これは、当の兄弟姉妹ではなく親の考えによるところが大きいでしょう)。
一方、兄弟姉妹で力を合わせて盛り立てるスタイルもあります。古くはライト兄弟にはじまり、企業経営の事例ではアイリスオーヤマ、星野リゾートなど(うまくいかなかった例ももちろんありますが)。
しかし、「一緒にやるか/やらないか」という二極の選択肢以外にも「隠れたパートナーシップ」の兄弟姉妹事例は古今東西に多く存在します。
よく知られた史実では、ヴィンセント・ゴッホと弟のテオがその代表として挙げられます。テオはヴィンセントの文通相手にとどまらず、資金調達支援や制作のヒントなど、あらゆる面でヴィンセントを影で支えました(テオが亡くなった後はテオの妻・ヨーがヴィンセントの画商的役割を果たしています)。
他には18世紀イギリス詩人のウィリアム・ワーズワースと妹のドロシー。ドロシーは生涯ウィリアムの作詩を支えました。
何が言いたいかといいますと「兄弟姉妹経営はうまくいかない」も「兄弟姉妹で力を合わせる経営は素晴らしい」も、ビジネス軸の二極だけの世界だということです。
同族企業にはオーナー軸もファミリー軸もあるのに、ビジネス軸だけで考えてしまうと、生まれ得たかもしれない最良のパートナーシップを見失うことになります。
『あなたたち兄弟姉妹にとって』最適なパートナーシップの形は無限にあります。
それは自分たちで探しにいかない限り見えてきませんが、作ろうと決めて行動を起こせば、きっと実現します。
会社経営を一緒にやることだけが、同族企業の兄弟姉妹の形ではありません。
株主として。
非常勤取締役として。
家族の一員として。
あなたは、様々なかたちで「兄弟姉妹がいてくれてよかった」と思える同族企業を創ることができます。