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海外のファミリービジネス・アドバイジングの文献を読んでいると、こういうことがよく書いてあります。
家族や兄弟姉妹がお金のことで揉めるとき、お金のことで争っているようにみえて実は、他のことで対立が起きているのです。お金は、愛情、愛着、時間など、他の何かを意味しています。
お金(金融資産)が原因で起こる対立は、何かの代理戦争だというのです。
その「何か」とは、何でしょうか?
家族のなかで、欲しくても得られなかったもの。
配偶者や養育者からの愛情。
ともに過ごす時間。過ごした思い出。
目の前のクライアントが争っている「もの」は何だろうか?
アドバイザーとして考えます。
しかし、アドバイザーとして重要な行動は、決して「それ」を当てにいってはいけないという点にあります。
仮説や推測は、無用どころか危険ですらある。
クライアントがなにを見ているのか。
それはクライアントにしか見えていない現実です。
アドバイザーにできることは、ただ問い続けるだけ。
「それ」をクライアントが自分の言葉で話してはじめて、対立を解消する本当の道のりが始まります。