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私は同族企業のオーナー家向けにファミリー憲章づくり、ファミリーの理念づくり、ファミリーガバナンス構築の支援をしています。
なぜファミリーに理念が必要なの?と思われる方もいるので、ここで説明します。
ファミリービジネスが難しいことの一つに「バスに乗る人を選べない(あるいは選ばない)」ということがあります。
親は子どもを選べない。
子どもは親を選べない。
兄妹も選べない。
子供や兄妹の配偶者なんて、もっと選べない。
それがファミリービジネスのオーナー家です。
ただ「その家に生まれた」という事実だけで、社会通念とは違うプロセスで彼らは入社します。もちろん入社に至るまでは個々に様々な動機、事情がありますが、ノンファミリー社員のプロセスとは全く異なるという意味です。
だからこそ、オーナーファミリーには明確な理念が必要なのです。 生まれた時からその会社に入る(ましてや経営者になるかもしれない)可能性を持っているなら、オーナーファミリーの理念を伝えなければならない。 創業者の価値観を知り、事業の楽しさと苦しみを知り、オーナーとして社会に貢献する価値を理解してこそファミリービジネスの一員になる権利があります。 そうした意義を理解してないのに権力を持つ経営陣や大株主のもとで働くことを想像してみて下さい。オーナーの私利私欲のために搾取される社員の姿を。
A family in businessの人たちには、その義務があります。創業の理念と、企業の社会的価値を深く理解しているという義務が。そういうオーナー家こそが経営陣を育て、社員に規範を示すことができます。それが社会に価値をもたらす企業を育みます。
私はオーナー家の理念やファミリーガバナンスが日本にあまたある同族企業を支えると信じ、専門のファシリテーターとして活動しています。